大生神社 延命院

大生神社(おうじんじゃ・おおうじんじゃ)は鹿島神宮とも深いつながりのある古い神社。鹿島神宮の本宮とも言われています。
古い神社は、神宮寺といって寺が神社ととともにある場合がありますが、この覆う神社にも神宮寺があり、現在は延命院という名前になっています。

この「延命院」のご本尊が聖観音菩薩立像。

平安時代前期の仏像で、茨城県の中では、古い平安仏の一つでしょう。
仏様が身につけている着衣や衣のようすが、独特の仏像。
腰のまわりの裳(も)の感じ、胸にかかる衣の彫り方がとても、こまかく、よくみるとおしゃれ。古い様式を感じさせるものですが、一方では彫りが浅く、ちょっと図像をうつしたような感じも受けるところも。

修復部も多く、頭をゆいあげた宝髻(ほうけい)や手の部分などが後補なので、園部分に見え方がひっぱられてしまうけれど、それらをのぞいて、お顔などを拝見するとたいへん森厳な顔つき、そして豊かなボリュームの体で、力強い仏様の感じが伝わってきます。

この延命院は現在は、あじさいのお寺二本松寺が管理されるお寺なのだそうですが、二本松寺のご住職のお話では「大生のあたりのみなさんは、とても神社やお寺を大事にしてくださっているのですよ」とのこと。

 

あやめのように艶やかな潮来風情ではありませんが、訪れてほしい場所です。