<この道行けば、とっぷり「桜川」in Sakuragawa>
2016.5.15(Sun)
桜川市の国道50号線の北側(栃木県より)のあたりを訪れた。通り過ぎるだけになってしまいがちだが、御影石を産する山々とそのふところにあるような街の家々、田畑の姿は美しく感じます。特に、晴れた日の午後、国道50号からその方向を見ると西日がきれいに山と街にあたり、山や岩肌のダイナミックな陰影や、家々、緑にそそぐ斜光は魅力的に思えます。
緑まぶしい、5月15日の【Tabi-ぶら】は・・。
稲田駅を出発、石切山脈沿いの県道を通り桜川市へ。
道沿いにある鏡ケ池に到着。桜川の源流点と言われる池。
右手(北側)に馬の背のようにみえる高峯のなだらかな山の姿を眺め山口の集落をぬけていきます。
羽黒の徳一開基の月山寺へ。謡曲桜川にゆかり深い桜川磯部稲村神社へ。
その後、富谷山の小山寺(冨谷観音)。そして最後に、二宮尊徳が仕法した青木の堰へ。尊徳の堰ゆかりの材で造った山門を持つ薬王寺と西日の富谷山が借景となった青木の堰を訪れた一日の旅。盛りだくさんのようだが、動く距離はごくせまいもの。径10キロにもならない距離。
そして、気がつけば、まさに「桜川」をたどり、「桜川」に遊ばせてもらい、学ばせてもらうような一日でした。
昼、櫻川磯部稲村神社では、磯部宮司と神社を歩きながらお話を伺う。
神社の来歴や、紀貫之の和歌の事、謡曲桜川の事さまざまを伺い、この神社一帯の山桜や植物のこともていねいに教えて頂きました。
山桜の交配、種を保つことがいかにむずかいことかなどや、しだれ櫻の伸び方の特徴などを教えてもらったり。
境内の桜は、すっかり青葉になっています。そして、地面には、さくらの実が落ちていました。気がつけば、あちこちにちょっと赤味をさした実。
そして、発泡スチロールの箱に育つ実生から育つ櫻の苗木を「ほらね」と、見せてくれました。この境内に落ちた櫻の種をていねいに育ててられているのです。
そして、「桜川から流れるこの御影石の細かな石土が滋養をいっぱい含んでいるから櫻の苗が育つのですよ」と。
きっとこの時期にうかがったからこそ、桜の生命が千年以上の長い間 この地で生まれ、子々孫々、引き継がれる桜たちの営みの重さに気がつけました。
磯部宮司が、やさしい「さくらの神さま」みたいだな、と思いました。
一日の最後は薬王寺という寺でした。
旧大和村の青木という地区にある小さな寺。
今日、はじめに訪れた鏡ケ池の水は櫻川磯部稲村神社の裏手を通り桜川となり、この青木の方へと流れています。
この薬王寺には、二宮尊徳が桜川の青木に仕法した堰の廃材を利用した山門があるのです。
寂純(せきずみ)という美しい苗字の和尚さんは、尊徳と青木の人たちのやりとりを軽妙に教えてくれました。
「田への水を引きたい青木の人たちは尊徳先生のところにいきました。だが、尊徳先生はまず、堰をつくる前に、そのあたりのススキをかりなさいと村の人たちに言い、さらに、さらにそのススキを買い上げてくださった。また夜は、縄をよらせてそれも買い上げることにしてくださったのです。村の人たちのやる気をださせて、そして、堰を造る工事に取りかかったと。堰を造ることも大変だったと思いますが、堰を造るまでの尊徳先生のご指導を含めて『尊徳先生の青木の仕法』だと思いますよ。だから、青木の人たちは、尊徳先生のことをとても大切に思ったわけです。そんなわけで、この寺も、みなさんがいろんなものを持ち寄ってくれてね・・・」とニコニコ顔で教えてくださいました。
この寺は、紅葉の時がきれいと土地では有名なのだそうです。
それでは、秋もぜひ伺わなくてはと思いながら、まずは、、この時期に伺ってよかったと思いました。
きっと美しい紅葉の季節では、僕は「まっかなモミジ」に浮かれて、この桜川にまつわる青木の人たちと二宮尊徳のお話しを、これほど印象深く、温かな気持ちで聞く事はできなかっただろうから。
無作法だったけれど、用意していた謡曲桜川最中を和尚さんといっしょに、庭で食べました。そうそう、櫻川磯部神社でも磯部宮司さんといっしょに岩瀬駅前の大黒屋の大福を食べたんだ!
5時を過ぎて、青木の堰にみんなで寄りました。
堰は尊徳が造って以来、幾度も造り直され、今の堰は平成10年竣工なのだそうです。堰の段差を勢いをつけて桜川の水が落ちていきます。いい音。
堰の奥に富谷観音の富谷山が西日をあびて美しい。
桜川をめぐる一日。
桜のない時の桜川で、いろんな気づき・・。
人との出会いは、すごいことです。
言い尽くせぬ、見尽くせぬものの中に居る一日でした。
<文・画像 主催 山本哲士>
まぶしいほどの新緑に包まれた、自然溢れる桜川。千年の歴史を誇る寺社をめぐり、国宝級の美術品にも触れることができた贅沢な旅。
桜川の名の由来となった桜の名所では、古来より日本人の心に宿り続けた桜への憧れを想い、地域所縁の二宮尊徳が施した足跡を辿れば、人の知恵と支えあいでこの地が作られてきたことを知る。
旅を愛する仲間同士、その地の懐に入り、理解を深め、それぞれの五感で魅力を味わい、皆で共感しあう。
のんびりまったり楽しむ内に、いつしかその地の虜になっている。人と人との触れ合いが温かな余韻を残してくれる。
こんな旅があったんだ!改めて気づかされた一日♪ Tabi-ぶら最高❗️
<文・画像 参加者 久保田直子様>
旅のはじまりは、桜川の水源と言われる、まさに今回のスタート地点に相応しい場所、「鏡ヶ池」から。その昔、大国主命が立ち寄って、この池でお米を磨いだという壮大な食伝説(笑)に、今日のおやつはなんだっけ、と思いを馳せる。
そこから、“別格”を感じさせる岩瀬の名刹、天台宗月山寺へ。
美しい庭園を眺めつつお寺の美術館に歩みを進めれば、五大力菩薩の怒りの御姿、激しく論じる徳一の像、木村武山の描きし美しい天女など、文化財というよりなにか人間臭さのようなものを感じさせる仏像等の表情にどっぷり見入る贅沢な時間。
桜川の源流から流れと歴史をなぞり、辿り着いた先。
それが桜川磯部稲村神社。
腹ペコを満たし、神社とその周辺を散策。
桜の名所。だけど、緑が眩しいこの季節も素直にいいと思える。
おやつの大福も頬張りつつ、多羅葉の葉書に文字を書いたり、食べられる植物を教えていただいたりと、(初回なのに早くも)Tabi‐ぶららしいゆる~い午後の時間を各々過ごす。
さらに移動を重ね、辿り着いた先は、富谷観音小山寺。
立派な山門をくぐり、石段を登り詰めた先にそびえ立つのは、美しき三重塔。
この美しさは、県内でも旧真壁地区にある薬王院の三重塔と双璧(勝手な印象)。
旅の最後は、緑のモミジが美しい薬王寺へ。
ここの山門は、この近くにある大洪水で壊れた青木の堰の廃材で作られたもの。
堰を造ったのは、かの二宮尊徳。そして、尊徳への恩が、集落の檀家さんたちにこの山門を造らせたというエピソードに、みんな温かい気持ちになる。
そして、尊徳の造りし青木の堰に立ち寄り、最初のTabi‐ぶらはゴールラインを切った。旅はとっぷりとディープで美味しく、いつだって僕らを贅沢な気持ちにさせてくれる。待ち望んだゆるい“あの旅”の復活。
復活に相応しい、小説の第一行目が刻まれたそんな1日だった。
<文・画像 参加者 磯前賢次様>
いにしえの頃から近代史にいたるまで、歴史に関わる神職様・和尚様の心温まるご説明に忘れていたり知らなかった史実まで勉強させていただきました。
<文・画像 参加者 齋藤友幸様>
いばらきを中心にぶらり旅、
それぞれ車で移動しながら、立ち寄り、説明を聞きながら散策(*´ω`*)
知らない場所、知らなかったことがたくさん!! へぇ~、と誰かに教えたくなる。
<文・画像 参加者 齋藤 芳子様>
桜川をテーマに稲田〜岩瀬?までを巡ります。こちら方面はほぼ行った事が無く、出会う物全てが新鮮。
普段は通り過ぎてしまう場所も足を止めると色々な発見があり、自然の光や匂い、鳥のさえずりを体感出来て気持ちの良い1日を過ごす事が出来ました。
茨城は沢山見る所があって奥深い。アートも歴史にも弱い私ですが、少しずつ蓄積していきます。行って良かった✨
<文・画像 参加者 Ayako Matsuda様>
普段なら素通りしてしまう様な場所や地元の人しか知らない様な場所を
要所要所で説明をして頂け
楽しい大人の遠足の様な旅でした。
<文・画像 参加者 Keiko Noguchi様>
<画像 参加者 山本透様>
<画像 参加者 Yoko Mizutori様>
<画像 参加者 Mayumi Sasaki様>
今回の旅でお世話になった方々
月山寺・僧侶さま
桜川磯部神社
磯部宮司さま
薬王寺・寂純住職さま
ありがとうございました
ご参加ありがとうございました